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18.10.31
幹細胞治療

つらい膝の痛みに、新たな救世主!幹細胞治療について知りたい!

つらい膝の痛みの原因である、変形性膝関節症については推定患者数2,530万人! 膝の病気第一位 変形性膝関節症って、どういう病気?のコラムでご紹介しましたが、変形性膝関節症に対する治療としては、これまで運動療法、薬物療法、物理療法、手術のいずれかが選択されてきました。つまり、形性膝関節症の症状が重度に進行し、運動療法や薬物療法、物理療法のような保存的治療で効果が得られない場合には、手術しか選択肢がなかったのです。

しかし、手術が怖い、手術に抵抗を覚えるという人はたくさんいます。また、手術を受けたものの症状が改善しなかったという人も少なからずいるのです。その場合には、痛みを軽減する治療を行うしかありませんでした。加えて変形性膝関節症の病態は複雑で、治療が難しいのが現状です。

そんな変形性膝関節症に、痛みの軽減といった効果が期待できる新たな治療法が近年注目されています。本コラムでは、そのうちの一つである幹細胞治療についてご紹介します。

自分の組織を自らの細胞で修復する幹細胞治療

そもそも幹細胞とは何なのか、まずはそこから説明していきたいと思います。

人間の体には、心臓、肝臓、骨、筋肉、血管など、生命を営んでいくために、さまざまな機能を果たしている臓器や組織が存在します。これらのあらゆる臓器や組織を作る、大本となる親のような細胞のことを幹細胞といいます。

幹細胞には、受精卵が母体の中で育つ過程で生まれるES細胞(胚性幹細胞)や、それを人工的に作ったiPS細胞(人工多能性幹細胞)があります。どなたでも一度は耳にしたことがあるこれらの幹細胞は、あらゆる臓器を作り出すことができる多能性幹細胞といわれる万能細胞なのです。現在、その応用の可能性について研究が進められていることは、さまざまなメディアで報道されている通りです。

一方、成体幹細胞(組織幹細胞)といわれる幹細胞は、すでにできあがった体の臓器や組織それぞれに存在する幹細胞です。各臓器や組織の細胞が、損傷もしくは壊れてしまったときに、それを補う役割を担っています。

これらの幹細胞は、分裂して自分と同じ細胞を作る能力と、関連する別の種類の細胞に分化(変化)する能力を持っています。したがって、例えば骨に存在する幹細胞は、日々、骨に関連する細胞を修復したり補ったりしています。

修復能力のある幹細胞で膝の病気を治療

幹細胞治療とは、簡単にいえば、このような幹細胞の原理を応用する治療法です。

修復したい部位に関連する幹細胞を体内から採取し、加工・培養して増やし、損傷した部分に投与するという治療です。ですから、膝の病気を治すためには、自らの細胞の中で、骨や筋肉、関節を補えるように変化する幹細胞を採取し、加工した上で膝へ投与するのです。

現在までに、さまざまな大学病院や研究施設で、幹細胞治療に対する数多くの研究的治療が行われてきました。膝関節の滑膜を採取・培養して体性幹細胞(滑膜幹細胞)を作り、それを定期的に関節内に投与することで効果が表れました。

また、現在では、皮下脂肪を採取し、それを培養して増やしてから投与する方法が開発され、変形性膝関節症の治療に用いられることが増えてきました。ここでは、後者の皮下脂肪を用いた幹細胞治療についてご説明します。

患者さんから皮下脂肪を採取して行う幹細胞治療には、二つの方式があります。

 

脂肪組織由来幹細胞治療(従来の幹細胞治療)

皮下脂肪に多く存在する間葉系幹細胞という幹細胞を使います。これは骨髄にも存在する幹細胞です。治療の流れは、お腹や太ももの脂肪を採取し、遠心分離器にかけて、5㎖程度の幹細胞群を抽出して、それを膝関節内に投与します。

培養幹細胞治療(現在の幹細胞治療)

脂肪摂取量を最小限に抑えて、それを3~4週間かけて培養し、培養された幹細胞を膝関節内に投与します。

 

従来の脂肪組織由来幹細胞治療の場合、培養の技術が確立されていなかったため、脂肪の採取量が100~350㎖と多く、患者さんの負担が少なからずありました。また、幹細胞の数も1,000万程度でした。

しかし、培養幹細胞治療の場合は、脂肪の採取量が米粒2~3個分と軽微で、患者さんに対する負担もかなり少なくなっています。その上、培養の技術が飛躍的に進歩したため、幹細胞の数も5,000万~2億程度と大幅に向上しています。脂肪採取と幹細胞の投与は、どちらも日帰りが可能で、治療にかかる時間は30分程度です。そして、炎症や痛みを抑え、関節内の状態が良くなっているという症例報告が数多くあります。

治療費は片膝で100~300万円とかなりの高額で、自由診療のため全額自己負担です。クリニックのホームページなどで治療費の内訳を確認するか、直接、治療施設に問い合わせてから治療を検討すべきでしょう。

幹細胞治療はよく理解してから受けよう

いずれの治療も、1回のみでよいのか、数回続けることで効果が出るのかについては、患者さん個人の症状によっても異なり、大いなる議論の的になっているのも事実です。

幹細胞治療は先進医療であり、現時点では研究的治療という位置づけで、まだまだ研究の余地が残っているものの、幹細胞治療によって痛みの症状が緩和され、その効果を実感されている患者さんが多くいるのも、事実なのです。幹細胞治療を受けるにあたっては、主治医とよく相談して納得した上で決断すべきといえるでしょう。

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