お役立ちコラム

アットホーム表参道クリニックの
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18.10.31
リハビリテーション

膝の痛みを和らげるセルフケア~運動・日常生活の工夫~

膝の痛みは加齢とともに表れやすい症状の一つです。膝の痛みを感じていても、「歳だから仕方がない」「この程度なら我慢できる」などと、諦めて放置している人も多いのではないでしょうか。変形性膝関節症の痛みは、自然に良くなることはありません。

放置してしまうと、傷んだ膝の関節やその周囲の組織にさらなる負担がかかって痛みが増していき、歩行や階段の上り下りが困難になるなど、日常生活に支障をきたすことがあります。

強い痛みが持続するような状態になると治療が必要ですが、初期段階であれば、適度な運動や日常生活の工夫によって膝の負担を軽減し、痛みを和らげることができます。

適正体重をキープして膝への負担を軽減する

適正体重をオーバーして肥満傾向にある人は、身体を支える膝に過度な負担がかかっています。さらに肥満が進行すると、脂肪細胞から分泌されるアディポカインという物質が関節に炎症を起こすリスクも高まります。

膝に痛みが起こらない範囲の、適度な運動とカロリーを抑えたバランスの良い食事を心がけ、適正体重をキープしてください。

適度な運動は痛みを和らげてくれる

変形性膝関節症は、関節軟骨や半月板が摩耗し、骨と骨がぶつかり合うことによって痛みが生じます。加齢に伴って発症することが多い病気ですが、下肢の筋力の低下や体重の増加、O脚などで膝にかかる負担が増加すると、発症しやすくなります。これらは発症リスクになるだけでなく、症状を進行させ、痛みを増悪させてしまいます。

そこで、ぜひ取り組みたいのが「適度な運動」です。運動によって膝を支えている周囲の筋肉を鍛えると、膝関節が安定し、痛みが生じにくくなります。さらに、運動は肥満の改善にもつながります。体重が減少すれば膝にかかる負担が軽減し、結果的に痛みが和らぎます。

大腿四頭筋を鍛えて膝の痛みを軽減

膝の痛みを軽減させるには、膝の周りにある筋肉を鍛えることが肝要です。特に鍛えたいのが膝関節の屈曲(曲げ伸ばし)に関わる「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」です。

大腿四頭筋を鍛える運動には、寝た状態で行う方法と、座って行う方法があります。どちらの方法も鍛える部分は同じなので、やりやすいと感じる方で行ってください。

 

<寝て行う場合>

①床に仰向けになり、片側の膝を曲げ、反対側の膝をまっすぐに伸ばします。

②伸ばしている方の脚をまっすぐにしたまま、床から10cmほど上げます。上げた状態を5~10秒間キープした後、元の位置に下ろしてください。

 

<座って行う場合>

①椅子に深く腰掛け、足は床に付けます。両手で座面の両脇をつかみます。

②片側の膝がまっすぐになるまで上げ、その状態を5秒間キープした後、下ろします。

 

痛むのは片側の膝だけであっても、それを庇うことによって反対側の膝にも負担がかかっています。よって、運動は左右ともに行うのが基本です。左右それぞれ20回を1セットとし、毎日2~3セットを目標にしましょう。ただし無理はしないこと。痛みが強くなるような場合は運動を中止し、医師に相談してください。

ウォーキングは自然に膝上げ運動ができるので、大腿四頭筋が鍛えられます。膝への衝撃を和らげるために、クッション性の高い運動靴を履き、背筋を伸ばし、軽く腕を振って歩きましょう。ただし、歩きすぎは禁物ですので、1日に8,000歩程度を目安にしてください。

また、同じウォーキングでも水中ウォーキングは、浮力によって膝への負担が軽減する上、水の抵抗で運動効率も高まるので、おすすめです。こちらは1回につき30分程度を目安に行うとよいでしょう。

ちょっとした工夫で痛みを軽く

日常生活で、できるだけ膝に負担がかからないように気をつけることも、痛みの緩和につながります。

 

・正座と床からの立ち上がりは要注意

膝に痛みがある方の場合、正座は膝に大きな負担がかかるので、できるだけ避けた方がよいでしょう。また、床からの立ち上がりも膝には負担になるので、椅子に座る生活を心がけましょう。どうしても正座をしなければならない場合には、臀部(でんぶ:お尻)と腓腹(ふくらはぎ)の間に、半分に折った座布団をはさむ、あるいは正座補助具を利用するなどの工夫で、膝への負担を軽減できます。

 

・室内履きにも工夫を

室内履きは、スリッパタイプだと足に引っ掛けるような状態になるので、膝が不安定になり、余計な負担がかかります。特に高齢者の場合、転倒のリスクが増えます。さらに転倒をきっかけに膝の痛みを悪化させてしまうことも考えられるので、注意が必要です。踵(かかと)まで覆って固定されるベルトがついたサンダルや靴タイプの方が望ましいでしょう。

 

・膝を冷やさない

冷房などで膝を冷えてしまうと血流が悪くなり、痛みが悪化しやすくなります。冷たい空気は下にたまるので、冷房の設定温度を高くしたり、扇風機やサーキュレーターを併用して、室温のムラを防ぐなど工夫しましょう。職場などで温度調節が難しい場合には、膝掛けやサポーターを使って、自衛してください。

 

・重い荷物は一度に運ばない

荷物を持つと、その重さの分だけ膝に負担がかかります。重い荷物を運ばなければならないときは小分けにする、台車を利用するなど工夫をしましょう。

 

・立ちっぱなしはNG

長時間立ち続けていると膝に負担がかかります。料理や掃除といった立ち仕事をする際には、ときどき椅子に座るなどして、膝をいたわるようにしてください。

サポーターや装具を活用する

膝周辺の筋力が低下すると、膝を支える力が弱まってしまいます。「サポーター」は、低下した筋力の代わりに膝関節を支えてくれる強い味方で、膝の冷えを防ぐ効果も期待できます。サポーターには、膝の側面部分にステー(支柱)を装備したタイプや膝部分を空けることで必要以上に圧迫されることを防ぐタイプ、O脚を矯正するタイプなど、さまざまなものがあります。自分の症状に合ったものを選びましょう。

また、「装具」も膝の負担の軽減に役立ちます。例えば、O脚の人に効果的なのは、「足底板」という靴の中に入れる装具です。足底板は、踵の外側が厚くなっているため、体重の負荷が膝の内側に偏るのを防止できます。

ただし、こうしたサポーターや装具は、常時着用すると、筋力が弱まってしまうことがあるので、外出時だけ着用する、家事を行うときだけ着用するなど、着用するシーンを決めて使用することが重要です。

杖やシルバーカーを使うことを躊躇する人も少なくありませんが、膝の負担軽減には有効な道具です。上手に活用してください。

 

膝の痛みを軽減するには、こうしたセルフケアが基本です。セルフケアでは痛みが軽減しない、あるいは痛みが強くてつらい場合は、医療機関を受診しましょう。

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