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19.01.29
膝全般

健康寿命の敵「ロコモティブシンドローム」について知っておこう!

「ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)」という言葉を知っていますか? 日本語では、「運動器症候群」と呼ばれています。運動器とは、身体を動かすために関わる骨、筋肉、関節、靭帯などの組織や器官のことで、高齢化社会の到来によって、多くの人が転倒による骨折や筋肉の衰弱、変形性膝関節症などから運動器の機能低下=ロコモに直面しています。ロコモについてしっかりとした知識を身につけ、その予防や対処法を実践することが、高齢になっても元気に生活できる「健康寿命」を延ばす上で必要不可欠です。

ロコモになると自立した生活を送れなくなる?!

ロコモは、高齢化社会の進行によって運動器の障害が起こり、介護が必要になる人が増加することを懸念して、日本整形外科学会が2007年に提唱したものです。実際に、厚生労働省が2013年に行った調査では、介護が必要になった原因の約36%を運動器障害が占めていることがわかっています。さらに、要介護になる寸前の「要支援2」の段階では、約46%にも上っていて、運動器の障害をきっかけに自立した日常生活を送れなくなる傾向にあります。

ロコモの原因は大きく二つに分けられます。一つが「加齢に伴う運動器の機能低下」で、四肢、体幹の筋力が低下する、体力や全身の耐久性が低下する、あるいは、筋委縮による関節や筋の痛みなどが発症するものです。もう一つが、「運動器そのものの疾患」で、変形性膝関節症、骨粗鬆症、関節リウマチ、変形性脊髄症、脊柱管脊髄症、骨折、四肢・体幹の麻痺などによるものです。

ロコモになると身体のバランスをとることが難しく、つまずいたり転倒したりしやすくなり、骨折などの危険度が増します。さらに歩行、衣服の着脱、トイレに一人で行けなくなるなど、日常生活のさまざまな動作(ADL)が自立してできなくなってしまいます。

さらに、ロコモの症状が進行すると、常に安静にしていることから筋委縮、心機能低下、血栓塞栓症、圧迫性末梢神経障害、意識混濁などを引き起こし、廃用症候群と呼ばれる症状を呈するようになります。廃用症候群の治療はそれぞれの症状に合わせて投薬や外科治療などが行われますが、高齢者が廃用症候群になると、元の健康な状態に戻すのが非常に困難だといわれています。それだけに、ロコモをいかに予防するかが、非常に重要になってきます。

今、問題になっているのが、ロコモとメタボリックシンドローム(メタボ)、そして認知症が、健康寿命・介護予防を阻害する三大因子に挙げられることです。メタボや認知症については世間的な認知度が高いのですが、ロコモが三大因子に挙げられていることはもっと知られてよいでしょう。

ロコトレに挑戦、栄養バランスに気を付けよう

ロコモの予防に効果的なのがトレーニングです。日本整形外科学会ではロコモーショントレーニング、略して「ロコトレ」を推奨しています。

主要なロコトレは、一つがバランス能力をつける「片脚立ち」で、床に脚がつかない程度に片脚をあげ、左右1分間ずつ1日3回を目安に行います。支えが必要な人は、しっかりした机に片手をつくなどして転倒しないように気を付けて行いましょう。

もう一つが下肢の筋力をつける「スクワット」です。肩幅より少し広めに脚を広げ、つま先を30度くらいずつ開き、膝がつま先より前に出ないようお尻を後ろに引くように身体をしずめます。深呼吸するペースで5~6回繰り返し、1日3回を目安に行いましょう。スクワットが難しい人はイスに腰かけ、机に手をついて立ち座りの動作を繰り返してください。この他、柔軟性を高めるためのストレッチング、腰痛・膝痛対策のための体操などを組み合わせて、運動器の衰えを防ぐようにします。

また、栄養管理もロコモ予防のカギになります。太り過ぎは膝などに負担をかけるため、過剰な脂肪分の摂取を避けるとともに、骨や筋肉量を減らさないようにカルシウム、タンパク質、ビタミン類などを摂取し、栄養バランスのとれた食事をすることが大切です。

日本整形外科学会では、「ロコモティブシンドローム」の啓発パンフレットを発行しています。この中で「ロコモ度テスト」「予防のための運動法」「食事の摂り方」などが説明されています。このようなロコモについての情報を積極的に入手し、予防に努めるようにしましょう。

ロコモの原因となる変形性膝関節症の新しい治療法に注目

ロコモの原因となる代表的な疾患に変形性膝関節症があります。治療法としては、ストレッチングなどの運動療法、ヒアルロン酸関節注射などの薬物療法が効果的とされています。症状がさらに悪化するような場合には、患部の膝関節を人工関節に取り換える人工膝関節置換術なども行われています。
さらに、新しい治療法としてAPS(PRP)療法や幹細胞治療など、自己組織を使った「切らない」低侵襲の治療法も注目されています。このサイトではこれらの新しい治療法について紹介しているので参考にしてください。

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