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19.01.29
APS/PRP

治療は1日で終了! APS療法の流れを詳しく解説

APS(Autologous Protein Solution=自己たんぱく質溶液)療法は、PRP療法の次世代治療として注目を集めており、特に関節症の治療に対して有効だといわれている治療法です。日本においてAPS療法が行われるようになったのは、ごく最近のことなので、どのような流れで治療が行われるのかご存知ない人がほとんどでしょう。

そこで本コラムでは、APS治療の流れについてご紹介していきます。

APS療法は膝の治療に有効な溶液が高濃度に含まれている

APS療法の有効性が高いのは、PRP療法よりもさらに工程を増やして、関節症治療に有効と考えられる成分が高濃度に含まれている溶液を作り出して使うためです。

APS療法に使われるそれらの成分とは、
・抗炎症性サイトカイン(炎症性サイトカインの働きを阻害し、炎症を抑える)
・血小板由来成長因子(細胞の複製を刺激。血管形成、上皮形成、肉芽組織形成を促進) 
・形質転換成長因子(細胞外マトリックス形成を促進。骨細胞の代謝を調節)
・繊維芽細胞増殖因子(内皮細胞および繊維芽細胞の増殖を促進)
です。

変形性膝関節症の患者さんの膝の中では、炎症反応を促進する「炎症性サイトカイン」という成分の動きが活発になっているため、この「炎症性サイトカイン」を抑える成分を膝へ投与すれば、関節内のバランスを改善することができるのです。

このように有効成分を関節腔に直接投与することで、炎症や痛みを軽減して軟骨の変性や破壊を抑えるのがAPS療法です。海外においては治療法として認められ、米国でも複数の医療機関で臨床試験が実施されて、その有効性が確認されています。

従来は、ステロイド剤を用いた薬物治療やヒアルロン酸の投与が行われてきました。ステロイド剤の治療は、抗炎症作用は強いですが、局所の組織壊死や脆弱性など組織障害が起こることがあります。感染、骨代謝への悪影響が出ることも問題視されています。
ヒアルロン酸注射は、関節腔内に注入されると緩衝剤のような働きにより痛みを和らげますが、効果が長続きしないため、頻繁に治療を受けなければなりません。

そして、今までは、これらの治療で改善しない場合には手術を受けるしかありませんでした。しかし、APS療法の出現により、ヒアルロン酸と同じように関節への注射だけで大きな治療効果が期待できるのです。患者さん自身の血液を使う治療のため、副作用の可能性が極めて低いのも大きなメリットです。では、そのAPS療法の治療の流れを詳しく紹介していきましょう。

APS療法では採取する血液の分離が2段階

 

実際の治療の手順ですが、患者さんにとっての負担は、従来のヒアルロン酸注射やPRP療法と何ら変わりはありません。
APS療法の診断から治療までの流れは、『採血→APS作製→施術(投与)』となっていますが、これらがすべて治療当日で完了できるというのも大きなメリットです。

採血は患者さんの静脈から55mlの血液を採取します。60mlのシリンジにAPSキット内のACD−A液という抗凝固剤5mlを入れて、患者さんから採取した血液55mlも入れます。そして、ACD−A液と混合された血液をAPS細胞分離チューブに入れて、遠心分離器の中で3200rpmの速さで15分間遠心分離します。すると、高濃度白血球PRPが6ml抽出されます。

PRP療法は、この段階でできた成分を使って治療するのですが、APS療法はここからが違います。
抽出された高濃度白血球PRPをもう一度、分離して抽出を行うのです。APS濃縮チューブの中で、2000rpmの速さで2分間の遠心分離を行い2.5mlにまで濃縮したAPSにします。

APSには、関節の中で痛みを引き起こすタンパク質である炎症性サイトカインの働きを阻害する、抗炎症性サイトカインが含まれています。そのため、炎症を抑えて、痛みを軽減することができるのです。
つまり、従来のPRP療法が持つ「組織修復力」に加えて「抗炎症作用」を持つのがAPSの特徴といえます。

そして、いよいよ患者さんの膝関節へ投与されますが、自己血液採取から注射まで30分程度です。
必要に応じてエコー検査が行われることもあります。これは、関節液が溜まっている場合には、治療前に吸引しておく必要があるためです。
治療が終われば帰宅できますが、治療当日は激しい運動や飲酒、マッサージなど治療部位に刺激を加えることは避けましょう。また、感染を防ぐために長時間の入浴も控えてください。

治療の副作用は、投与時に関節注射と同じような痛みがあり、施術後数日間は、治療部位に腫れや痛み、熱感が出ることもあります。採血部位、治療部位に皮下出血が見られることもありますが、それらはいずれも一時的なことです。もし、これらの症状が強い場合には医師に連絡してください。

治療の効果は、個人差があるのですが、通常、投与の翌日から1週間程度で効果が表れる人もいます。患者さんの体調がすぐれない場合や採取した血液の状態によってはAPSを精製できない場合もあり、そのときには再度採取するということもあります。

以上で述べてきたように、治療における患者さんへの負担は、従来のPRP療法とAPS療法で差はありません。そして、APS療法は、明らかにPRP療法よりも進化しているわけですから、ぜひ一度、治療の選択肢としてAPS療法を検討してみることをおすすめします。

APS療法については以下のコラムでも詳しく解説しています。

従来のPRP療法とはまったくの別物!次世代PRP療法といわれる「APS」療法とは
膝の痛みを軽減するAPS療法の効果

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