お役立ちコラム

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19.01.29
膝全般

高位脛骨骨切り術の後の治療法を考えておこう

高齢者をはじめとして、多くの人が悩まされている膝痛。それだけに、ストレッチングなどの運動療法から、ヒアルロン酸投与などの薬物療法、さらには膝部分を切開して治療する手術療法まで、多様な治療法があります。従来の治療法の他にも、最近増えてきた高位脛骨骨切り術や自分の身体にある幹細胞を使った幹細胞治療、血液から有効成分を抽出して膝関節内に投与するAPS療法なども注目されるようになりました。こうした複数の治療法を組み合わせれば、互いに補完し合う治療が可能となります。

近年注目されてきた高位脛骨骨切り術

高位脛骨骨切り術は、下肢のO脚をX脚に矯正して、膝の内側の関節軟骨にかかる負担を軽減しようとする手術です。脛(すね)の骨の膝に近い部分で骨を内側から外側に向かってくさび型に切り、そこに人工骨を挟み込んでプレートで固定するものです。この手術のメリットは人工関節を使うことなく自分の関節を残すことができる点です。

ここ数年、高位脛骨骨切り術はかなり進歩しており、例えば人工骨は手術から3~5年経過すると吸収されます。また、人工骨を固定するプレートも骨と親和性が高いチタンプレートとボルトが使われており、手術後1年経つと体内から取り出すことが可能です。

高位脛骨骨切り術が万能というわけではない

しかし、どんなケースであっても高位脛骨骨切り術が成功するとは限りません。変形性膝関節症は、症状が進んでしまうと半月板や軟骨が摩耗していることもあり、高位脛骨骨切り術によって治療するとかえって症状を悪化させてしまうことがあります。患者さんの症状の判断を誤って高位脛骨骨切り術を行うと、治療の失敗につながりかねません。

また、くさび型に切り開いた部分に新しい骨が認められるようになるのが術後約2~3カ月で、6カ月を経てようやく隙間が新しい骨で埋められていきます。6カ月以前では、手術した膝部分はまだ不安定な状態にあり、本格的な運動、ストレッチング、重い荷物の運搬などを行うと治療した部分に負担がかかり、術後状態を悪化させてしまいます。早くよくなりたいという思いから、医師や理学療法士の指示に従わず、リハビリテーションを独断で行った場合などは、高位脛骨骨切り術の成果を台無しにすることもあります。

この他にも、高位脛骨骨切り術が成功しない要因はいくつか考えられます。

喫煙に関しては、詳しいデータはとられていませんが、タバコに含まれているニコチンや一酸化炭素が骨の再生を妨げるといわれていて、退院後もタバコを吸い続ける患者さんは術後の状態を悪化させてしまう可能性があります。肥満も膝に体重がかかりすぎて徐々に患部を圧迫するため、術後に悪影響を与える要因の一つです。また、膝痛以外に患者さんが病気を持っている場合も問題があります。骨粗鬆症の患者さんに高位脛骨骨切り術を施すと、もともと骨が弱くなっているので、過剰な負荷に耐えられないことが考えられ、十分な注意が必要になります。

こうしてみてくると高位脛骨骨切り術は、自分の骨を活かせるというメリットはあるものの、術後の過ごし方などが適切でないとデメリットも発生すると思われます。したがって、高位脛骨骨切り術を受けた後の治療法を知っておくことも必要です。

APS療法で修復を図る

 

膝の手術以外で注目されているのが自分の身体に備わっている間葉系幹細胞を使った幹細胞治療と、患者さん自身の血液から血液の炎症を抑制するタンパク質と軟骨の状態を良好に保つ成長因子を患部に投与するAPS療法です。これらは、高位脛骨骨切り術を受けた後でも、患部の回復を早めたり、再手術につながるようなダメージを避けることができます。

特に、APS療法は炎症を抑える抗炎症性サイトカインという良いタンパク質を患部に投与し、痛みを軽減し軟骨の変性や破壊を抑えることから、高位脛骨骨切り術で傷ついた患部を修復する可能性を持っています。いずれにせよ、これらの治療法を受ける場合には、担当の医師と十分に相談することが必要です。

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