お役立ちコラム

アットホーム表参道クリニックの
お役立ちコラム

19.02.28
APS/PRP

再生医療はなぜ高い? 整形外科の先生に聞いてみました!

再生医療とは、患者さんの体外で人工的に培養した幹細胞などを患者さんの体内に移植するなどして、損傷した臓器や組織を再生し、失われた人体機能を回復させることです。また、患者さんの体外において幹細胞などから人工的に構築した組織を移植することなどです(厚生労働省:再生医療の定義より)。

再生医療はかなり広い意味を持ちますので、ここでは当クリニックが実施しているAPS療法と幹細胞治療についてお話したいと思います。

自由診療では個々の患者さんに柔軟性を持って治療を適応

世間の人々の中には、保険診療は安価で良い治療、自由診療は高価で得体の知れない治療といったイメージを持っている人がいるかもしれません。しかし、それは大きな誤解です。

保険診療とは、誰が行っても安全性と有効性が担保される医療として、国が認めたものです。つまり、どの医療機関で受けても同じような結果が得られる可能性が高い、世の中に広く普及するべきと考えられた医療なのです。それだけに縛りがあるのも事実です。保険診療で認められた治療法は、保険によって適応が認められた疾患や症状に対して限定的な使い方しかできません。

一方、自由診療では安全性や有効性が認められていれば、個々の患者さんに応じて柔軟に適応を決めることができ、倫理観を高く持ち、正しく高度な治療を行っている医療施設であれば、患者さんにとっての最良の治療を提供してくれることでしょう。

当クリニックが採用しているAPS療法は、自由診療で40万円かかります。金額だけを聞くと高額だと思われるかもしれません。しかし、その金額に見合うだけの質の高い医療を提供できると私たちは自負しています。

APS療法は、医療機器承認を受けたキットを使うべき

では、なぜ当クリニックのAPS療法は高額なのでしょうか。それは当クリニックが採用しているAPS療法のキットは、わが国で唯一、厚生労働省より医療機器承認を受けた血液成分分離キット(高度管理医療機器)であるためです。

人工関節など整形外科領域の医療器具で定評のあるジンマー・バイオメットという会社が販売しているAPSキットであり、欧米で実施された臨床試験により、治療の安全性について認められ、有効性の科学的根拠が担保されています。開発コストがかかっているキットを使っているため治療費にその額が反映されてしまうのです。

そして、APS療法では採取する血液の分離が2段階であるため手間がかかります。まず、外来診療で自己血液55mlを採取します。そして、最初の遠心分離を15分間行い、細胞溶液を6mlにして抽出します。さらに、APS濃縮チューブの中で2分間の遠心分離を行い、2.5mlにまで濃縮したAPSにして患者さんの関節の中に投与するのです。この一連の治療の流れにより、安定した治療効果が得られるようになっています。

APS療法はPRP療法よりも痛みの軽減が期待できます

変形性膝関節症の治療を行う医療施設の中には、PRP療法を適応しているところがあります。PRP療法は患者さん自身の血液から抽出した成分(PRP)を膝関節に投与する治療法で、私たちに本来備わっている「自然治癒力」を高め、治癒を目指す再生医療です。

一方でAPS療法は、痛みや炎症を抑える成分(抗炎症性サイトカイン)が含まれているので、「痛みの軽減」について、PRP療法よりも高い効果が期待できます。

また、PRP療法を膝の治療に適応している医療機関では、治療回数が多いため、1回あたりの治療費が低価格の場合がありますし、治療の費用がまちまちなこともあります。

複数の医療機関のホームページを比較して、不明な点については問い合わせるべきだと思います。

APS療法は、認可を受けた医療施設のみで行うことができる

APS療法は、届け出をして認可された医療機関で行うことができる治療であるということもポイントです。これは、『再生医療等の安全性の確保等に関する法律』に基づいています。

2018年8月より、再生医療法の届け出を完了し、認可を受けた医療機関で治療(自由診療)が受けられるようになりました。私たちもそのタイミングで届け出を行い、認可を受けて現在治療に取り組んでいます。

『第二種再生医療等・治療に関する提供計画』を国に届け出て認可された医療機関の一覧は、厚生労働省のホームページで見ることができますので、ぜひご覧下さい。
【厚生労働省 再生医療等提供機関一覧】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000186471.html

APS療法を受ける際には治療法についてしっかり確認を!

APS療法を受ける際には以下の点をしっかり確認されることをおすすめします。

・その医療機関は再生医療法の届け出を完了し、認可を受けているか

・APS作成に使用するキットは医療機器承認を受けているか

・そのキットを用いた治療はエビデンス(基礎研究や臨床試験データなど科学的根拠)があるか

・何回(どのくらいの頻度で)注入を想定されているか

今後、APS療法が一般に普及する可能性はあるかもしれません。

しかし、新しい治療が普及しても、黎明期から治療を実施し、治療経験を蓄積している医療施設で受けることをおすすめします。

そして、関節症に治療ではAPS療法がPRP療法に勝っているということを、きちんと理解している整形外科医のもとで治療を受けることはいうまでもありません。

幹細胞治療は培養の質を担保すると高額になる

幹細胞治療は、APS療法よりもさらに高額です。それは採取した細胞を培養しなければならないためです。その培養の質は医療機関によって差がある点も理解しておいてください。

質の高い培養を行うには、まず、細胞を扱う培養スタッフがプロフェッショナルであることが大切です。現在、当クリニックが培養細胞を提供していただいている機関には、専任の培養スタッフが8人います。そして、培養専用のクリーンルームがあり、温度管理をはじめ数々の工程に心血を注いでいます。

培養液の質も高く安定しています。4週間後に最良の状態に培養するために、土日祝日を問わず、作業が真夜中になることもあるのです。培養された細胞は、細胞数も重要です。細胞数は治療の有効性に大きく関わります。当クリニックは、最低でも5000万~2億個を培養しています。

培養を委託している機関は、当クリニックから徒歩5分程度の至近距離にありますが、幹細胞の質を保つため、専門の運搬業者に頼み運搬しています。

このように質の高さを担保して、患者さんへの治療効果をより高くすることに対して細心の努力を払っています。そうすると、おのずと治療費は高額になってしまいます。 今後、私たちは、東京大学医学部の整形外科などと協力して、治療効果に対する科学的根拠を検証する臨床研究を行っていく予定です。

あらゆる保存的治療の選択肢を提示

最後になりますが、当クリニックは保存的治療の選択肢も豊富です。したがって、来院された患者さんすべてに再生医療をおすすめするわけではありません。個々の患者さんの症状を正しく評価し、最適な治療を適応します。ヒアルロン酸の投与やリハビリテーションで症状が軽減する方は、それに越したことはないからです。

そして、治療後は生活指導なども随時行い、長期にわたってのアフターケアを行っていきます。

関連記事

診療時間

時間 日/祝
9:00〜12:00
13:00〜18:00

※土曜の午後は13:00〜17:00まで
休診日:日曜・祝日
診察終了時間の30分前までに受付をお済ませください。

pagetoppagetoppagetop