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19.02.28
膝全般

ヒアルロン酸注射の効果と継続期間

膝の痛みに対する治療法には、薬物療法、手術療法、運動療法、再生医療など、さまざまな選択肢があります。中でもヒアルロン酸を膝関節に投与する方法は、薬物療法の主要な治療法として多くの人が受けています。

ヒアルロン酸はなぜ膝痛に効果があるのか、そのメカニズムやその効果の継続期間などについてご紹介します。

軟骨を保護し炎症を抑制するヒアルロン酸の働き

ヒアルロン酸はN-アセチルグルコサミンとグルクロン酸という糖が2,000~5,000組くらい交互につながった直鎖状の高分子化合物です。もともとは1934年に米国のカール・マイヤー博士によって牛の眼球から発見されたもので、私たちの身体の中では、皮膚、腱、軟骨、血管などに広く存在しています。粘り気が強く、弾力性に富み、水分保持性に優れていて、肌の乾燥を防ぎ、張りを取り戻すことから美容成分としての働きが注目されています。

また、関節部位にはヒアルロン酸が豊富に含まれており、骨と骨の間の潤滑油の役割を果たしていて、軟骨を保護し炎症を抑制する効果を持っています。このように重要な働きを持っているヒアルロン酸ですが、加齢とともに減少・劣化してしまうため、関節を健全な状態を保つために体外から補給する必要があります。

ヒアルロン酸は多糖体の高分子化合物のため、そのまま体内に吸収することができず、一度単糖に分解されて体内に吸収されます。ヒアルロン酸を内服薬として服用しても、分解されて全身に散らばってしまうため、例えば膝関節などに有効量が届きにくいと考えられています。したがって膝痛などの改善のためには、ヒアルロン酸を直接投与することが有効です。

1週間に1回のペースで合計5回の投与が一般的

変形性膝関節症の患者さんの膝では、関節内のヒアルロン酸の濃度が低下し、粘性・弾力性が乏しい状態になっているため、ヒアルロン酸の投与が膝痛の改善に効果を発揮します。

1週間に1回のペースで投与を行い、連続して5回程度が一般的な方法です。「膝に注射をするのは痛い」と心配される人もいますが、最近では細い注射針を使うために、痛みは最小限に抑えられています。

また、副作用は非常に少なく安全な治療法と考えられています。ごくまれに投与した直後や2~3日の間に患部が腫れたり、熱を持ったりするケースもありますが、こうした腫れや炎症もすぐにおさまるのがほとんどです。

5回投与した後は、症状に応じて月に1~2回くらいのペースでヒアルロン酸投与を続け、3~4カ月かけて経過を観察します。この間、ヒアルロン酸の投与だけでなく、筋力トレーニングなどの運動療法やリハビリテーションを並行して行うことで、より効果を高めることができます。

数カ月間治療して少しずつ症状の改善を図る

ヒアルロン酸は時間をかけて体内に吸収されていくため、一度の投与で効果が永続的に続くわけではありません。よって何回か繰り返し投与する必要があります。

一般的には数カ月程度治療することによって、徐々に炎症を抑制し、緩やかに膝痛を改善することが期待できます。また、ヒアルロン酸注射が効果を発揮するのは、患者さんの症状が比較的軽い場合で、変形性膝関節症が進行して重症化している場合には改善されないケースが多いでしょう。

ヒアルロン酸注射による治療を続けても症状に改善されない場合には、傷んだ膝関節を人工関節に取り換える人工膝関節置換術や、下肢のO脚をX脚に矯正して、膝の内側の関節軟骨にかかる負担を軽減する高位脛骨骨切り術といった、手術が必要になることもあります。

また、手術をできるだけ避けたいという患者さんには、自分の血液から抽出した炎症を抑えるサイトカインというタンパク質と、軟骨の状態を改善する成長因子を患部に投与する「APS療法」や、自分の身体に備わっている間葉系幹細胞を使って傷んだ細胞を修復する「幹細胞治療」という選択肢もあります。

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