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19.02.28
膝全般

膝痛の原因疾患~関節リウマチ~ 

膝が痛む原因は、膝の使い過ぎのほか、関節や筋肉の不具合、病気、全身の病気の一症状として膝痛が現れるケースなどさまざまです。中でも最も多いのは変形性膝関節症ですが、関節が腫れて痛い、膝が動かしづらいといった同じような症状が出る病気の中に「関節リウマチ」があります。

関節リウマチは、免疫に異常が起こる全身性の病気で、放置すると関節の炎症が悪化してさまざまな症状を引き起こし、日常生活にも支障を及ぼします。できるだけ早く発見し、治療を始めることが大事です。

関節リウマチは自己免疫にかかわる全身病

本来、人間の身体は、病原体から身を守る免疫システムを備えています。しかし何らかの原因でこの免疫システムが異常をきたし、自分自身の身体を誤って攻撃をするようになった状態を「自己免疫疾患」といいます。関節リウマチは、代表的な自己免疫疾患の一つで、全国で患者数が70万〜80万人と推定されています。男女比は1対4と女性に多く、30〜50歳代に発症のピークがあります。

発症する原因はよくわかっていませんが、遺伝が関わっているとされ、これまでに100以上の疾患の発症に関わる遺伝子が明らかになっています。また喫煙や歯周病、糖尿病などもリウマチの発症や進行と関連があり、遺伝的な体質に環境要因が重なって免疫機能に異常が生じることで発症すると考えられています。

関節に腫れや痛み、起床後30分に症状が強く表れる

関節リウマチを発症すると、免疫の異常によって関節の内側にある「滑膜」という組織に、持続的な炎症が生じます。主な症状は関節の腫れと痛み、熱感です。関節液がたまっていると、関節を触ったときにやわらかくブヨブヨと感じるので、受診の目安にしてください。

腫れや痛みなどは、手の指や足の指などの小さい関節に左右対称に関節炎の症状が出る場合が多いとされています。特に第2関節に出やすいといわれていますが、手足の指より先に、膝などの大きな関節に炎症が及ぶこともあります。
また、通常は複数の関節に症状が表れますが、右膝だけ、左足の中指だけ、というように一つの関節だけに腫れや痛みが表れる「単関節型」の症状を訴える人もいます。典型例が当てはまらないケースもあるので、症状が気になる場合には早めにリウマチ専門医に相談しましょう。

なお、関節リウマチの症状は、朝起きてから30分以内くらいに最も出やすく、日中や夜は落ち着くことが多いという特徴があり、典型的な症状は朝の関節のこわばりです。寝ている間に炎症を引き起こす物質が関節内にたまるのが原因で、起きて関節を動かしているうちに、炎症物質が全身に拡散してこわばりが治まっていきます。

薬物療法でしっかり炎症を抑えないと軟骨と骨が破壊されます。すると関節が十分に機能しなくなり、あちこちが特有な変形を起こして、外見上でも関節の変形が分かるようになります。また、痛みのある関節を動かさなくなることで関節の可動域が狭くなったり、悪化すると関節がひとかたまりの骨となって動かなくなる「強直(きょうちょく)」を起こすこともあります。

関節リウマチは関節だけの病気ではなく、全身病なので、倦怠感や疲労感を感じやすい、貧血、微熱が出るといった症状も特徴の一つです。関節症状以外にもリウマチ結節という皮下結節ができることもあります。

関節リウマチは発症して短期間で多くの関節の破壊が進む人や、1~2年の初期だけ症状があって落ち着く人もいます。多くは症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら少しずつ関節の破壊が進行していきます。全身の関節に進行していくタイプでは、首の一番上の部分で背骨が前にずれてしまい、脊髄が圧迫され、手足が麻痺したり、呼吸がしにくくなる場合もあります。

効果のある薬が登場し、普段通りの生活も可能に

関節リウマチを診断するには検査が必要です。

問診や触診のほか、血液検査で炎症や免疫異常の有無とその程度を調べます。X線検査をすると、骨の破壊や関節の変形がわかりますが、関節超音波検査では滑膜の炎症の状態まで確認できます。さまざまな検査の中でも、関節リウマチの場合は高率に陽性になる抗CCP抗体と、滑膜の炎症や関節の変形をみる関節超音波検査は、診断の難しい早期の関節リウマチ発見にも有効です。

治療は薬物療法が中心になります。主に5つの薬があり、病気の進行具合や症状に合わせて使い分けていきます。

一つ目は「非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)。痛みや炎症を抑えるための薬剤です。痛みや炎症を軽くしますが、リウマチの進行を抑えることはできないため、抗リウマチ薬(後述)と組み合わせて使われます。

二つ目は「ステロイド薬(副腎皮質ステロイド薬)」で、非ステロイド性抗炎症薬よりも強い抗炎症作用があるほか、免疫抑制作用もあります。炎症を迅速かつ強力に抑えますが、ステロイド薬のみでは関節の破壊を完全に抑えることはできないので、抗リウマチ薬と一緒に使われるのが一般的です。

三つ目は「抗リウマチ薬(DMARDs)」。免疫の異常を改善し、関節炎の進行を抑える効果が高い薬ですが、効果が出るまでに少なくとも1ヵ月前後はかかります。このため、非ステロイド系抗炎症薬やステロイド薬と一緒に使うこともあります。抗リウマチ薬はよく効く人と効かない人がいて、すべての人に有効なわけではありません。また、長期間使用すると、効果が弱くなったり、効かなくなることもあります。

四つ目は「生物学的製剤」、バイオ製剤ともいわれます。炎症の悪化や関節の破壊を促進するサイトカインを抑制します。効果が高いだけでなく、比較的早く効果が表れ、さらに、関節破壊の進行を抑えたり、関節破壊を未然に防ぐこともできるため、新しいタイプの薬剤として多くの患者さんに使われるようになりました。

かつての関節リウマチの薬物療法は、痛み止めやステロイドで一時的に症状を抑えることか、軽減することしかできませんでした。しかし、ここ20年の間に効果が高い新しい薬がいくつか登場し、治療は大きく進歩しました。完全に治すことはできなくても、関節リウマチの患者さんの多くが、病気の進行を抑え、発症前とほとんど変わらない生活を送ることのできる「寛解」を目指せるようになっています。

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