お役立ちコラム

アットホーム表参道クリニックの
お役立ちコラム

19.02.28
膝全般

膝痛の原因疾患~半月板損傷・靭帯損傷~     

膝痛は変形性膝関節症のような膝関節の不具合が原因だと考えられがちです。

しかし、膝にある「半月板」と呼ばれる部位や、骨と骨を繋ぐ「靱帯」が損傷して、痛みが出ている場合もあります。これらは、変形性膝関節症とは効果がある対処法や治療が異なるため、自己判断で誤った対処法をしていると、症状を悪化させることが少なくありません。

半月板損傷とは

【原因】
「半月板」は膝関節の中で大腿骨(だいたいこつ:ふとももの骨)と脛骨(けいこつ:膝から下の骨)の間にある「C」のような形の板状の部位で、膝の内側と外側にそれぞれ一つずつあります。

半月板は膝関節にかかる体重の負担を分散させて和らげるクッションの役割を担っているだけでなく、膝関節の位置を安定させるスタビライザーとして働き、膝関節の滑らかな動きを助けているのです。

何らかの原因で半月板が損傷を受け、本来の機能を果たせなくなった状態を「半月板損傷」と呼んでいます。スポーツなどの怪我で生じるものの中には、ひねりや衝撃によって半月板のみが損傷するもののほかに、前十字靭帯損傷(後述)に合併して起こるものもあります。

一方、加齢による半月板損傷も少なくありません。半月板は加齢に伴って変形するため、高齢になると日常生活動作やわずかな外傷でも半月板損傷が起こりやすくなります。

【症状】
半月板を損傷すると、膝がまっすぐ伸びなかったり、膝の屈曲の際に痛みやひっかかりを感じたり、安静時に痛みがないのに階段の上り下りや、膝の屈伸時などの動作時のみに痛みやゴキッと音を伴うことがあります。

悪化すると、膝に関節液がたまったり、急に膝が固まって動かなくなる「ロッキング」の状態になり、膝の屈曲や歩行が困難になるほどの痛みが生じます。

【検査・診断】
半月板損傷は、徒手検査(=理学検査。膝を動かすなどして反応を見る検査)や症状の経過から予測ができますが、レントゲン(単純X線)写真には半月板は写りません。そのため、問診や徒手検査などで半月板損傷の疑いがある場合には、立体的に膝関節の構造を調べることができる「MRI検査」を行います。MRIは、半月板損傷の病態だけでなく、合併する靭帯損傷の診断にも有用です。

【治療】
リハビリテーションや抗炎症薬といった保存的治療で症状が改善する場合もありますが、半月板は周辺部の10~25%程度しか血行がなく、血行が乏しい部位の損傷は自然に治癒しないため、多くは手術が必要となります。

手術には損傷した部分を切り取る「切除術」と損傷した部位を縫い合わせる「縫合術」の2種類があり、通常は小さな創口から関節鏡や手術器具を挿入して操作する「鏡視下手術」が行われます。

膝靱帯損傷とは

【原因】
膝周辺には骨と骨を繋ぐ四つの靱帯があります。膝の左右の外側にある「外側側副靱帯」と「内側側副靱帯」は、膝が左右にグラつくのを抑え、「前十字靱帯」は膝から下が前に出られないようにストッパーの役割を果たしています。さらに「後十字靱帯」で膝の安定性を保っています。

靱帯損傷は、スポーツや交通事故などで大きな力が加わることで発症します。四つの靱帯のうち、内側側副靭帯損傷の頻度が最も高く、逆に外側側副靭帯を単独で損傷することはほとんどありません。極めて強い力が加わると、複数の靱帯を一度に損傷することがあります。

【症状】
内側側副靱帯や前十字靱帯が断裂すると、膝の安定性が失われて踏み込みや切り返しができなくなります。受傷後3週間くらいの急性期には膝の痛みと可動域制限が出て、動かしづらい状態が続きます。しばらくして腫れ(関節内血腫)が生じる場合もあります。

急性期を過ぎると痛みや腫れ、可動域制限は軽減しますが、膝の不安定感が目立つようになり、特に坂を下るときやひねり動作の際には自覚しやすいものです。不安定感があるまま放置すると、周囲に負荷がかかり、新たに半月板損傷や軟骨損傷といった合併損傷を引き起こすこともあります。

【検査・診断】

靱帯も半月板同様、レントゲン(単純X線)の画像には写りません。そこで診察時に徒手検査(=理学検査。膝を動かすなどして反応を見る検査)などで、靱帯損傷のあるケースを判断し、靱帯の損傷を鮮明に描出できるMRI画像で確認します。MRI画像では、半月板損傷合併の有無も同時に確認することができます。

【治療】
保存的治療と手術療法があります。内側側副靭帯損傷であれば保存的治療で治癒することが多いのですが、前十字靭帯損傷ではその可能性はかなり低く、手術を選択することになります。一方、後十字靭帯単独損傷は多少の緩みが残ってもスポーツ活動に支障をきたさないことが多いことから、保存的治療を優先して試みるようにします。

保存的治療では、患部を安定させる「医療用サポーター(膝動揺性抑制装具)」を装着し、痛みのない範囲で可動域を広げる訓練を行います。こうすることで、筋力の低下を最小限にとどめることができます。

手術療法は主に「靭帯修復術」と「再建術」の2つから、病態に合わせて選択します。
通常、十字靭帯損傷では、ハムストリング腱や膝蓋腱などの「自家組織(自分自身の組織)」を用いて再建する再建術が行われます。手術は創口が小さく身体への負担の少ない「鏡視下手術」で行われます。術後はしっかり元の状態に治すために、3~6ヵ月程度のリハビリテーションが必要です。

関連記事

診療時間

時間 日/祝
9:00〜12:00
13:00〜18:00

※土曜の午後は13:00〜17:00まで
休診日:日曜・祝日
診察終了時間の30分前までに受付をお済ませください。

pagetoppagetoppagetop